フルートの上達が進んでくると、このビブラートという奏法が気になってきます。
気持ちをこめて音楽を伝えたいとき、ビブラートは効果的な手段となります。
ですから、どうやってビブラートができるようになるのか、という問題は、フルートを演奏する人にとっては興味が湧くところ・・・とはいえ、初心者さんができるようになるにはなかなか難しい演奏法です。
「難しいし上達してから練習しよう」、というコツコツタイプの人もいるでしょう。
反対に、「せっかくだから、早いうちに身につけたい!」と思う人もいるかもしれません。
いずれにしても、どのように身につけたらよいのか、気になりますよね。
フルートのビブラートとは?
たとえば、歌(声楽)の中のビブラートを聴いてみましょう。
基本となる音があって、その音より少し高いところと低いところを上下しているように聞こえませんか?
歌でビブラートをかけるときは、このように音程を揺らします。
では、フルートでも同じように音程を揺らしたらよいのでしょうか。
実は、現在のフルートは、音を安定させるよう改良されたものです。
ですから、楽器の構造上、音程を揺らすということが難しいのです。
フルートのビブラートは、声楽などのビブラートを手本にした奏法ですが、音程のゆれではなく、「音量のゆれ」を生み出してビブラートの音を作ることになります。
さて、この「ビブラート」。どのように使ったらよいのでしょうか。
それを知るためには、フルートの演奏をたくさん聴くことが大切です。
フルートだけでなく、声楽や弦楽の演奏もぜひ、数多く聴くようにしましょう。これによって、ビブラートのイメージをしっかりと持つようにします。
このイメージをつかんだ上で、実際にどんな練習をしたらよいのか、見ていきましょう!
どんな風に練習したらいい?
ビブラートの練習で一番やりやすいのは、メトロノームに合わせた練習方法でしょう。
ぜひ試してみてください!
(1)まず、ビブラートなしの、まっすぐな音でロングトーンを出します。
(2)次に、メトロノームをゆっくりしたテンポに合わせます。
ロングトーンの音を、このテンポに合わせて、一拍ずつ、タンギングなしのアクセントをつけるように、吹いてみましょう。
息を押し出すように、ふぅーうぅーうぅー、というイメージで吹いてみてください。
最初はおおげさにやってみましょう。
タンギングなしのアクセントができるようになってきたら、少しずつ、なだらかなアクセントにしていきましょう。
(3)慣れたら、アクセントではなくて、ゆるやかな波をおこしているイメージで吹いてみてください。
ゆるやかな波のイメージで吹けるようになったら、次に一拍に二つ、八分音符をタンギングなしで吹くようなイメージで、吹いていきます。
あとは、(1)〜(3)を繰り返し、できるようになったら三連符、十六分音符、とどんどん波を細かく起こせるようにしていきます。
さらに、これができるようになったら、メトロノームのテンポをあげて、同じことを繰り返していきます。
このような手順で、練習をすすめていきます。
もちろん、このほかにも様々な練習方法があります。
できるようになるまで、時間がかかる人いるでしょう。
でも、自分であれこれ試行錯誤する時間も大切です。
インターネット上にも、さまざまな練習方法が掲載されていますので、自分に合った練習方法を探してみるのもよいでしょう。
ビブラートなしの音も大事!
練習方法は色々ありますが、ビブラートをかけても音程がゆれないようにすることが大切です。
ベースとなる音のピッチはしっかりと固定できるようにしなければなりません。
正しく腹式呼吸をして、ビブラートなしのロングトーンをしっかりと出せることが基本です。
まとめ
ビブラートができるようになると、嬉しくてあちこちでかけてしまいがちになるのですが、かけすぎると音楽にメリハリがなくなってしまい、逆に味わいがなくなってしまうこともあります・・・。
ビブラートなしの音があるからこそ、ビブラートが魅力を持つようになるのです。
様々なフルーティストの演奏を聴き、どこでビブラートをかけているのか、研究することも大切ですよ!
さあ、ビブラートができるようになったら、これまでよりもっと演奏を楽しめるようになるでしょう!
情感たっぷりの、美しい音楽を演奏できるようになるといいですね!
