楽譜とフルート

 

 

フルートの音は、低音域、中音域、高音域のそれぞれに味わいがあります。

 

それぞれの音域の特徴をいかすように書かれた曲もあります。

 

どの音域も、なめらかに演奏できるようになれば、たくさんの曲を演奏できるようになりますから、各音域の音を美しく響かせられるようになりたいもの。

 

全音域をムラなく美しく鳴らすには、どんな練習をしたらよいのでしょうか。

 

 

 

高音域をきれいに出すためには・・・

 

高音域の音を出すとき、音がかすれたり、か細い音になったり、音が裏返ってしまったりして、出したい音を正確に鳴らすのに手こずっている人もいるでしょう。

 

フルートの高音域の音をきれいに鳴らすには、倍音(ハーモニクス)の練習をすると効果的です。

 

フルートは、同じ運指で1オクターブ上の音や、別の音を出すことができるのですが、この音を倍音といいます。

 

例えば、

 

  1. 最初に中音域のソの音を出します。
  2.  

  3. 息のスピードを上げて、倍音の高音域のレを出します。
  4.  

  5. 他の運指でも、息を調整しながら高音域の倍音を出してみます。
  6.  

  7. 一つずつ、確実に狙った音を出せるようになったら、本来の運指でその音を出してみましょう。

 

練習前よりも、楽に出すことができるようになっているはずです!

 

高音をきれいに出すには、息の調整と、吹くときの唇の形がポイントとなります。

 

出したい音を出す時に、唇や息がどんな状態ならきれいに出せるか、倍音の練習を繰り返すことで、しっかりと覚えることができます。

 

これに、スケールやロングトーンなどの基礎練習をくわえて、半音ずつ確実に出せる音を増やしていきましょう!

 

 

低音域をきれいに出すには・・・

 

低音域の音は、低くなるにつれて、鳴らすのが難しく感じられます。

 

フルートは吹く息の半分は音にならずに楽器の外に出て行ってしまいます。

 

残ったもう半分で、安定した深い音を出すわけですから、沢山の息を使うことになるのです。

 

低音域の音をきれいに出すために、まずは息の出口となるアパチュアをチェックしましょう。

 

どの音を出す時も基本となることですが、アパチュアが歌口の中心に合っているか、ということが、ここでも重要になってきます。

 

アパチュアは広がりすぎると、音がぼやけてしまいますし、狭すぎても高い音が出てしまったりするので、中音域を吹くときと同じようなイメージで、音を出してみましょう。

 

息のスピードの調節も低音を響かせるためのポイントです。

 

うまく出せないようなら、息のスピードをゆっくりとさせるイメージで吹いてみましょう。

 

ただ、あまりゆっくりさせると、音程が低めになってしまうことがあります。力を入れすぎず、また口の中を広げすぎないことにも注意します。

 

高音の練習でもとりあげた倍音の練習は、低音域にも効果的です。

 

例えば、中音域のドと同じ運指で、1オクターブ下の低音域のドを出してみます。

 

このときの息の量やスピード、口の形をしっかりと覚えるようにしましょう。

 

出せる音がひとつでもふえたら、タンギングや、テヌート、アクセントなどの練習をして、確実に吹けるように補強していきます。
一通りできるようになったら、また新しい音、というように、出せる音を徐々に増やしていきましょう!

 

慣れないうちは、練習メニューの中に組み込み、毎日やるようにするといいですよ!

 

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